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保険に入る前に必ず知っておくべき「社会保障制度」について

      2016/03/31

hoken

今回は、誰でも利用できる制度であるにもかかわらず、あまり知られていない「社会保障制度」についてです。

 

誰でも利用できる代表的なものとして「健康保険」があります。病院に行った時に窓口で支払う金額は多くの方が3割になると思います。

 

このように、国民を強制的に加入させて保険料を納めさせ、病気や出産、老後、障害などの場合に国が安心できる生活を保障してくれる制度をまとめて社会保障制度といいます。

 

ただ、医療費を3割にするには保険証の掲示が必要なのと同じで、「申請しなければいけない」というのが原則なので必ず把握しておくようにしましょう。

 

ここでは、数ある社会保障制度の中から自分で用意する「民間の保険」に入る前に必ず知っておくべき社会保障制度を紹介していきます。

※これから紹介する金額等については「平成28年度」を基準に記載しています。

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社会保障制度の「健康保険」について

まずは、先ほど例にもあげた健康保険による社会保障制度についてです。

 

特に、医療保険を考えるにあたっては「高額療養費制度」、所得補償保険を考えるにあたっては「傷病手当金」のことを抑えておく必要があります。

名称内容
療養の給付被保険者(保険の対象となる人)や扶養している家族が病気やケガで医療機関等での治療を受けた場合に、一部の負担で支払いができる

原則3割、小学校就学前は2割、70歳以上75歳未満は所得によって2割か3割)
高額療養費被保険者や扶養されている家族がひと月に医療機関等で支払った自己負担額が一定の金額(自己負担限度額)を超える場合に、その超えた額があとで払い戻される制度である。

一定の金額とは、以下のとおり。
※70歳未満の場合
高額療養費

例えば、標準報酬月額が30万円の人がひと月にかかった医療費が70万円(自己負担額21万円)だった場合

所得区分から「80,100円+(総医療費-267,000円)×1%」があてはまる。

計算式に当てはめると
「80,100円+(700,000円-267,000円)×1% = 84,430円」

よって、自己負担限度額は84,430円なので高額療養費として払い戻される金額は125,570円(210,000円-84,430円)となる。


ちなみに、医療費が高額になると事前にわかっていれば、「限度額適用認定証」を提示して自己負担限度額までの支払いという方法も利用できる

また、高額療養費として払い戻しを受けた月数が1年間(直近12ヵ月間)で3月以上あった場合は、4月目から自己負担限度額がさらに引き下げられる。
保険外併用療養費先進医療などの保険が適用されない保険外診療があると保険適用額も含めて医療費全額が自己負担となる。

ただし、通常の治療と共通する部分(診察・検査・投薬・入院料等)の費用は、上記の「療養の給付」と同じように一部の負担で支払うことができ、その残りの部分が「保険外併用療養費」として支給される

例えば、先進医療含めた医療費が100万円(先進医療部分:30万円)とした場合

先進医療以外(=通常の治療と共通する部分)が
100万円-30万円=70万円

よって、この70万円(100%)が
保険外併用療養費…49万円(70%)として、
一部負担金…21万円(30%) となる。※高額療養費の適用あり
移送費病気やケガで移動が困難な被保険者が、医師の指示で一時的・緊急的必要があり、移送された場合に現金で支給される。
傷病手当金病気やケガなどで働けなくなった時の生活費を保障するために設けられた制度

会社を連続して3日間休み、4日目以降休んだ日に対して標準報酬日額の3分の2が1年6ヶ月を限度として支給される。

ただし、給料の支払いがない、または支払額が傷病手当金より少ないことが条件となる。
出産育児一時金被保険者や扶養している家族が出産した場合に、1児につき42万円が支給される。

ただし、産科医療補償制度(分娩時に重度脳性麻痺となった場合に赤ちゃんと家族の経済的負担を補償する制度)に加入していない医療機関等で出産した場合は40.4万円。
出産手当金被保険者が出産のために仕事を休んだ場合、出産前の42日と出産後の56日までの間に仕事を休んだ期間に対して標準報酬日額の3分の2が支給される。

また、出産が予定日より遅れた場合、その遅れた期間についても出産手当金が支給される。
埋葬料被保険者が亡くなった場合に、埋葬を行う方に対して5万円が支給される。

また、扶養されている家族が亡くなった場合にも、家族埋葬料として5万円が支給される。

 

社会保障制度の「年金保険」について

次に、年金保険による社会保障制度についてです。

 

ここでは、生命保険(死亡保険)を考えるにあたって「遺族年金」のことを抑えておく必要があります。

名称内容
遺族基礎年金国民年金に加入中の方(自営業者や会社員など)が亡くなった場合、その方によって生計を維持されていた「18歳到達年度の末日(3月31日)までの間にある子のいる配偶者」または「18歳到達年度の末日(3月31日)までにある子または障害状態にある20歳未満の子」に支給される。

年金額は下記のように計算される。

【780,100円+子の加算】

子の加算
2人まで1人につき 224,500円
3人目以降は1人につき 74,800円

遺族基礎年金

ただし、支給要件として保険料の滞納がそれまでの期間に3分の1以上ないこと、または、前々月までの1年間に保険料の未納がないことが条件となる。
遺族厚生年金厚生年金に加入中の方(会社員など)が亡くなった場合、その方によって生計を維持されていた遺族(①配偶者または子 ②父母 ③孫 ④祖父母の順で優先順位が高い者)に支給される。

年金額は下記のように計算される。

【老齢厚生年金の年金額×3/4】

※老齢厚生年金…65歳になったときに、老齢基礎年金に上乗せして支給される年金。

収入に応じた計算後のおおよその金額は下記のようになります。
※あくまで参考として下さい(年齢や加入期間によって金額は大きく異なります)。
遺族厚生年金

ただし、支給要件として

・老齢厚生年金の資格期間(原則25年)を満たしていること(25年未満の場合は300月とみなして計算)

・厚生年金加入中の病気やケガがもとで初診日から5年以内に亡くなった場合

・保険料の滞納がそれまでの期間に3分の1以上ないこと

・1級、2級の障害厚生年金を受けられる者が亡くなった場合

などを満たすことが条件となる。
中高齢寡婦加算夫が亡くなった時の妻の年齢が40歳以上で子がいない場合、40歳~65歳になるまでの間、遺族厚生年金に加算が行われる。

※寡婦(かふ)とは、夫と死別(死に別れ)または離別(離婚)し、再婚していない女性のこと

加算額:585,100円(年額)

また、遺族厚生年金と遺族基礎年金を受けていた子のある妻が、子が18歳到達年度の末日に達した(障害の状態にある場合は20歳に達した)ため、遺族基礎年金を受給できなくなったときも含まれる。
寡婦年金国民年金の第1号被保険者(自営業者など)として保険料を納めた期間(免除された期間を含む)が25年以上ある夫が亡くなったときに、妻が受け取ることができる。

年金額は下記のように計算される。

【夫の老齢厚生年金の年金額×3/4】

ただし、支給要件として10年以上継続して婚姻関係にあり、生計を維持されていたことが条件となる。
死亡一時金国民年金の第1号被保険者(自営業者など)の方が老齢基礎年金・障害基礎年金を受けることなく亡くなった時に、その亡くなった方と生計を同じくしていた遺族(①配偶者 ②子 ③父母 ④孫 ⑤祖父母 ⑥兄弟姉妹の順で優先順位が高い者)に支給される。

一時金の額は保険料を納めた期間により、
12万円~32万となる。
死亡一時金

ただし、支給要件として保険料を納めた月数が36月以上(3年以上)あることが条件となる。
障害基礎年金国民年金に加入中の方(自営業者や会社員など)が病気やケガで、法令により定められた障害等級表(1級・2級)による障害の状態にある場合に支給される。

年金額は下記のように計算される。

1級【975,100円+子の加算】
2級【780,100円+子の加算】

子の加算
2人まで1人につき 224,500円
3人目以降は1人につき 74,800円

障害基礎年金


ただし、支給要件として保険料の滞納がそれまでの期間に3分の1以上ないこと、または、前々月までの1年間に保険料の未納がないことが条件となる。
障害厚生年金厚生年金に加入中の方(会社員など)が病気やケガで障害基礎年金の1級または2級に該当する障害の状態になったときに、障害基礎年金に上乗せして支給される。

また、軽い程度の障害の場合は3級の障害厚生年金の支給となり、初診日から5年以内に病気やケガが治るなどした場合は障害手当金(一時金)の支給となる。

年金額は下記のように計算される。

※平均標準報酬月額…「被保険者であった期間の標準報酬月額の合計」/「被保険者であった期間の月数」

※報酬比例の年金額…働いていた期間の収入によって変わるもので「平成15年3月までの被保険者期間分」と「平成15年4月以後の被保険者期間分」の合計。

~平成15年3月までの被保険者期間分の計算式~

【平均標準報酬月額×7.125/1000×被保険者期間の月数】

~平成15年4月以後の被保険者期間分の計算式~

【平均標準報酬月額×5.481/1000×被保険者期間の月数】

障害厚生年金


ただし、支給要件として厚生年金加入中に病気やケガの初診日があること、保険料の滞納がそれまでの期間に3分の1以上ないこと、または、前々月までの1年間に保険料の未納がないことが条件となる。

 

社会保障制度に「雇用保険」について

最後に、出産後の育児休業中や家族のための介護休業中の給付金がある雇用保険ついてです。

名称内容
育児休業給付金被保険者が育児のために仕事を休んでいる場合、原則子が1歳になるまでの間(育児休業期間中)に支給される。

給付額は下記のように計算される。

・育児休業開始から6ヶ月まで
【休業開始時賃金日額×67%】
・育児休業開始から6ヶ月経過後
【休業開始時賃金日額×50%】
(下限額・上限額あり)

ただし、要件として育児休業を開始した日より前の2年間に給料の支払われた日数が11日以上ある月が12ヶ月以上あることなどが条件となる。
介護休業給付金被保険者が仕事への復帰を条件として家族の介護のために仕事を休んでいる場合、介護休業期間中に支給される。ちなみに、1回の介護休業期間は同一の要介護状態において「介護休業開始日から最長3か月間」となる。

1ヶ月ごとの給付額は下記のように計算される。

【休業開始時賃金日額×支給日数×40%】
(下限額・上限額あり)

ただし、要件として育児休業を開始した日より前の2年間に給料の支払われた日数が11日以上ある月が12ヶ月以上あることなどが条件となる。

これについては保険に入ることとは直接結びつきにくいかもしれませんが念のため知っておきましょう。

ちなみに、育児休業給付金とは別に平成26年4月から産前産後休業中や育児休業中における社会保険料(健康保険・厚生年金等)が免除となりました。

これまで、育児休業中は大きな社会保険料の負担があったのですが住民税のみの負担でよくなり本当に子育てがしやすい環境となりました。

 

まとめ

このように、これらを知らずに保険に入ると多く払いすぎる「ムダ」な保障がどこかででてきます。

そのムダな保障に対するムダな保険料を払うことがないように、社会保障制度の紹介をしてきました。

保険に加入する際はこれらを踏まえた上で加入すると、「ちょうどいい」保障を考えることができますのでぜひ抑えておくようにして下さい。

 

また、これらの社会保障制度は申請しなければもらえないという制度となります。

今は「こういうのがあるんだ!」とおおまかに知っておき、万が一の場合は必ず利用するようにしていきましょう。

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