知ってお得.com

知っているだけで大違い!1級FP技能士として、お金に関するお得で役立つ情報を発信していきます。

保険に入る前に考えておきたい「インフレリスク」について

      2016/03/31

e72001241f07a3b9254583c491b3004d_m

保険に入るときに考えるのは、「今現在」これぐらいの保障があれば安心できるといったような考えをする方が多いのではないでしょうか。

もちろんそれは一番重要なことです。しかし、「終身保険」や「終身医療保険」のような一生涯保障される保険や、「学資保険」や「個人年金保険」のような貯蓄性の保険については特に「インフレリスク」というものを考える必要があります

 

今回はその「インフレリスク」について紹介していきたいと思います。

スポンサーリンク

PC

 

インフレリスクとは

6076e8befc572fecaec465df73a448a8_m

インフレとデフレについて

おそらく多くの方がニュースなどで耳にしたことがあるのではないでしょうか。

 

流行語大賞にもノミネートされたアベノミクスが掲げている「インフレ目標は2%」とされています。では、そもそもこのインフレとデフレとは何なのかを確認していきます。

 

【インフレ(インフレーション)】

物やサービスの価値が上がり、お金の価値が下がっていくこと

 

【デフレ(デフレーション)】

物やサービスの価値が下がり、お金の価値が上がっていくこと

 

となります。言葉だけみると非常に難しいと思うので「インフレ」について身近なもので説明していきます。

商品1980年代2016年現在
缶ジュース100円130円
ビール大瓶240円350円
タクシー(初乗り運賃)430円730円

このように、多くの物やサービスの値段が上がってお金の価値が下がっている状態が「インフレ」となります。

 

 

インフレが続けばお金の価値も下がり続ける【インフレリスク】

上記でインフレとデフレの違いや仕組みは理解していただいたと思います。

 

では、アベノミクスでも掲げている「インフレ目標2%」が30年続いたとしたらその当時のお金の価値はどうなるのか100万の車を例に説明していきます。

 

例)2016年現在100万円の車を現時点では100万で買うことが出来るが、2%のインフレが続いていったとした場合。

経過年数車の値段
(万円)
お金の価値
(万円)
12016100100
10202512182
20203514867
30204518155

このように、30年も2%のインフレが続いていくと物価(車の値段)が上がり、2016年には100万円であったものが2045年には181万円までなります。

また、手元にあった100万円の価値は下がり続けて、2045年には55万円分の価値となってしまいます。実質価値は約半分にまで下がっていることになります。

 

このように、インフレによって物価に対してのお金の価値が下がってしまう場合の損失のことをインフレリスクといいます

 

それでは、本題である保険に対してインフレリスクが起きるとどうなるのか説明していきます。

 

インフレリスクと保険

老後資金対策としての代表的商品「個人年金保険」を現時点で契約し2%のインフレが起きていった場合の30年後をみていきます。

 

※ネット上でシュミレーションが出来たので「アフラックの個人年金」を参考として記載させていただきます。

<計算基準>

契約年齢30歳(男性)

年金受取期間10年

払込保険料月額2万円

払込期間30年

個人年金保険参考:アフラックの個人年金:保険料シミュレーション

この結果をみると30年で720万円払い込んだ保険料に対して775万円年金として受け取る事が出来ることになります。増加額は55万円、戻り率でいうと107.7%です。

 

現時点だけで考えるとお金が増えているだけにみえますが2%のインフレが起きていった場合はお金の価値は下記のようになります。

経過年数個人年金受取額
(万円)
お金の価値
(万円)
302045775427

 

このように、30年後の2045年では物やサービスの価値が上がり427万円分の価値しかないことになってしまいます。個人年金保険の他、特に貯蓄性がある保険の「終身保険」や「学資保険」を検討される方はこのインフレリスクを考慮しておいた方がいいでしょう。

 

ただ、今回はあくまで「2%」のインフレが続いた場合なので参考として捉えて下さいね。ちなみに、「1%」が続いていった場合は下記のような感じです。

経過年数個人年金受取額
(万円)
お金の価値
(万円)
302045775574

 

また、以前の記事で老後資金対策の比較として「個人年金保険と確定拠出年金の違いについて」を書きましたが、この確定拠出年金はインフレリスクにも対応しやすい手段なのでよかったら確認してみて下さい。

確定拠出年金と個人年金保険の違いについて~その1~
確定拠出年金の受取方法は、「一時金(退職金)」、「年金」、「一時金と年金の併用」の3通りから選択することが出来ます。 今回はその中で、「年金」として受け取るこ
確定拠出年金と個人年金保険の違いについて~その2~
前回の記事では、確定拠出年金と個人年金保険の「システムの違い」「積立時の違い」「受け取り時の違い」について書いていきました。 今回は、確定拠出

 

インフレの予測は難しい

gimon

上記でアベノミクスを例に「2%」といった数字を使いましたが、このインフレ目標2%を今後達成し続けることはなかなか難しいと思います。

過去のインフレ率の推移は下記の通りです。

インフレ率の推移出典:世界経済のネタ帳

198019811982198319841985
%7.814.922.721.872.292.04
198619871988198919901991
%0.60.140.672.283.043.3
199219931994199519961997
%1.711.260.69-0.130.131.76
199819992000200120022003
%0.67-0.33-0.65-0.8-0.9-0.25
200420052006200720082009
%-0.01-0.270.240.061.38-1.34
20102011201220132014
%-0.72-0.29-0.040.362.75

バブル期間中の「1989年~1991年」は特にインフレ率の上昇がわかると思います。

また、2014年はアベノミクスの効果によって「2.75%」と高い数値がでています。

つづいて、5年先の見通しです。

インフレ率の推移()出典:世界経済のネタ帳

201520162017201820192020
%0.730.441.551.11.211.45

2014年に高い数値が残せたものの、2015年の推計値は「0.73%」と一気に下がっています。

さらに、その後の見通しでも2%を超える年はありません。ただ、1%を超えるインフレは起きると推計されています

 

このように、インフレリスクで手元のお金の価値が下がる事が分かっていても、今後何が起きるか分からないですし、専門家の意見もさまざまで今後の予想を立てるのは非常に困難です。

 

本当に「神のみぞ知る」ものですね。

 

ただ、政府と日銀という国のトップがインフレに力を入れていることを考えれば、インフレリスクに備えた対策をとるのが無難だと思います。

 

例えば、現金をそのまま残す「タンス預金」もインフレリスクによって、いつの間にか価値が下がってしまうことになるので、一部のお金はインフレに強い商品で資産運用を行う「投資」をしてバランス良くするなどです。

 

まとめ

check

長くなってしまいましたが、現時点で保険に入る時に「これだけの保障があれば大丈夫」と思っていたものでもインフレが起きつづけていけば医療費や学費も上がり「これじゃお金全然足りないじゃん!」何てことにもなるので注意が必要ですよという話でした。

 

その対策としては、下記のようなものがあります。

貯蓄性の保険はインフレに負けないような返戻率が高いものを選ぶ

利率変動型の保険などインフレに強い商品を選ぶ

将来のインフレを考慮した加入を前もってしておく

インフレに備えて定期的な見直しをする

以上のように、さまざまな方法があります。

 

将来の予測という本当に難しいことなのであまり神経質になる必要はありませんが、このインフレリスクを知っているのと知らないのでは保険に対する考え方は大きく違うのでぜひ抑えておいて下さいね。

 

 - 保険