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確定拠出年金と個人年金保険の違いについて~その2~

      2017/08/24

taxcute

前回の記事では、確定拠出年金と個人年金保険の「システムの違い」「積立時の違い」「受け取り時の違い」について書いていきました。

 

確定拠出年金と個人年金保険の違いについて~その1~
確定拠出年金の受取方法は、「一時金(退職金)」、「年金」、「一時金と年金の併用」の3通りから選択することが出来ます。 今回はその中で、「年金」として受け取るこ

 

今回は、確定拠出年金の最大のメリットである「節税効果」での違いと、それぞれを比較していく上での「まとめ」を書いていきます。

 

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確定拠出年金と個人年金保険の節税効果の違い

naruhodo

まずは、毎年の年末調整や確定申告でお馴染みの所得控除について確認していきます。

 

所得控除とは、所得税や住民税を計算するときに、所得から差し引くことができるもので、課税されないものです。

 

所得控除による節税効果の違いについて

積立時

 

確定拠出年金⇒拠出額の全額が所得控除の対象

 

確定拠出年金では、「小規模企業共済等掛金控除」という所得控除が適用されます。

 

その適用される所得控除によって、拠出額の全額が所得控除出来るので非常にお得です。

 

月1万円なら年間12万円、上限の月2.3万円なら27.6万円といった形で全額を控除出来ることになります。

 

そのことで、支払う所得税と住民税が少なくなります

 

簡単に数字を使って、どれぐらい節税できるか例をしてあげていきます。
※具体的な計算は説明が長くなりますので省略させていただきます。

~確定拠出年金の所得控除考慮前の課税所得金額(課税の対象となる所得)が200万円とする~

 

①確定拠出年金加入なしの場合

 

この場合の所得税は102,500円

 

②確定拠出年金加入ありの場合(月2万)

 

確定拠出年金を月2万円支払っている場合、

 

小規模企業共済等掛金控除として全額の年間24万円が所得控除出来るので、176万円(200万円-24万円)が課税所得の対象となります。

 

この場合の所得税は88,000円

となります。

 

年収によってかかる社会保険料や扶養する家族などによって様々ですが、上記のように、「確定拠出年金加入ありの場合」であれば年間14,500円も節税出来ていることになります。

 

つまり、年末調整で14,500円分が還付される(戻ってくる)ということです。さらに、これとは別に住民税の支払額も少なくなります。

 

個人年金保険⇒保険料の金額に応じて一部が所得控除の対象

 

個人年金保険では、「生命保険料控除」の所得控除が適用されます。

この場合は、保険料の金額に応じた計算式で控除額を求める必要があるため、負担した額より控除額は少なくなってしまいますまた、年間の控除額において上限があります。

 

~生命保険料控除計算式~

【新制度】

年間の支払保険料等控除額
20,000円以下支払保険料等の全額
20,000円超 40,000円以下支払保険料等×1/2+10,000円
40,000円超 80,000円以下支払保険料等×1/4+20,000円
80,000円超一律40,000円

【旧制度】

年間の支払保険料等控除額
25,000円以下支払保険料等の全額
25,000円超 50,000円以下支払保険料等×1/2+12,500円
50,000円超 100,000円以下支払保険料等×1/4+25,000円
100,000円超一律50,000円

 

生命保険料控除額がどれぐらいになるかは下記のツールをお使い下さい。
[CP_CALCULATED_FIELDS id="14"]
では、個人年金保険が上記の確定拠出年金と同じ条件でどれぐらいの節税ができるか例をあげていきます。

~個人年金保険の所得控除考慮前の課税所得金額(課税の対象となる所得)が200万円とする~

 

個人年金保険料(新制度)を月2万円(年間24万円)支払っていた場合、生命保険料控除として年間上限4万円が所得控除出来ます。

 

別の言い方でいうと、年間24万円支払っていたとしても4万円までしか控除できない

 

そのため、196万円(200万円-4万円)が課税所得の対象となります。

 

この場合の所得税は98,500円

となります。

 

確定拠出年金と同じ月2万円(年間24万円)の保険料を支払っていたとしても上限があるため4万円までしか控除することが出来ません。

 

そのため、確定拠出年金で2万円払っていた場合と比べても10,500円も多く所得税を支払うことになります。

 

以上の点から、積立時は全額の掛け金が所得控除できる「確定拠出年金の圧勝」と言っても過言ではないと思います。

 

 

年金受取り時

次に、年金受取り時に適用される所得控除の違いを説明していきます。

 

確定拠出年金⇒確定拠出年金では、「公的年金等控除」の所得控除が適用されます。

 

この場合は、年金の金額に応じた計算式で控除額が決まることになります。また、年間の控除額において上限があります。

 

~公的年金等控除計算式~

その年中の公的年金等の収入金額の合計額(A)65歳未満の者65歳以上の者
130万円未満70万円120万円
130万円以上 330万円未満(A)×25%+37.5万円120万円
330万円以上 410万円未満(A)×25%+37.5万円(A)×25%+37.5万円
410万円以上 770万円未満(A)×15%+78.5万円(A)×15%+78.5万円
770万円以上(A)×5%+155.5万円(A)×5%+155.5万円

 

上記のように、控除額に上限があるのが残念なところです。

 

この公的年金等控除は、確定拠出年金以外にも65歳からもらえる国民年金や厚生年金にも適用されるものです。

 

つまり、65歳以降に確定拠出年金を受け取るとするなら「国民年金+厚生年金+確定拠出年金」の合計した年金額で計算式にあてはめて計算することになります。

 

そのため、確定拠出年金にまで税金がかかってしまう可能性があるのであまりおすすめ出来ません。

 

せっかくの確定拠出年金の非課税のメリットを活かすのであれば、「退職所得控除を利用して一時金受取り」もしくは「60歳~64歳までに70万円(控除額ギリギリ)ずつで受け取り終わる」という方法をおすすめします。

 

とにかくムダな税金を払わないでいいようにすれば確定拠出年金のメリットを存分に活かせます。

 

個人年金保険⇒「年金の収入×支払保険料の総額/年金受取額の総額」の計算式で計算される必要経費として控除される。

年間の年金収入 60万円

支払保険料の総額 500万円

年金受取額の総額 600万円 とした場合

 

必要経費…60万円×500万円/600万円=50万円

 

となるので、これが実質控除できる金額となります。

 

そして、課税所得金額(課税の対象となる所得)は「年間の年金収入-必要経費」で計算されるので

 

60万円-50万円=10万円

 

といった形で、この場合であれば10万円に対して税金がかかることになります。

以上の点から、受取時において確定拠出年金は何とか非課税にするように出来ますが、個人年金保険は計算上必ず税金がかかるようになります。そのため、受取時においても確定拠出年金の方が有利となります。

 

また、これ以外にも確定拠出年金は商品の運用にかかる利益も非課税という大きなメリットがあるので大変お得です。

 

長いスパンに渡って運用するほど確定拠出年金での節税効果は高くなるので、他の記事でもおすすめしているSBI証券の公式ホームページでもその効果をぜひ確認してみてください。

SBI証券 確定拠出年金積立プラン(個人型401K)

 

確定拠出年金と個人年金保険の違いと比較まとめ

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このように、公的年金への不安が高まっている現代では個人で自主的に老後資金の準備をするケースは少なくありません。

 

確定拠出年金においては、毎年右肩上がりに加入者が増加している状況です。

 

それでは、最後に表でまとめて比較をしていきたいと思います。

確定拠出年金項目個人年金保険
自分で運用システム保険会社が運用
×
(口座振替のみ)
クレジット払い
あり元本割れなし
運用成果次第運用利率1%前後

(小規模企業共済等掛金控除)
積立時の所得控除の種類
(生命保険料控除)
全額
(拠出額による上限あり)
積立時の所得控除額新制度:上限4万円
旧制度:上限5万

(非課税枠大)
一時金受取り
(目減り大)

(公的年金等控除)
年金受取り
(必要経費)

 

自分で運用しなければならないという手間はかかるものの、確定拠出年金の節税効果をはじめとした様々なメリットは凄まじいものです。

 

それに、ただ積み立てるだけではなく資産を運用して老後に貰える金額を(リスクのとり方次第で)増やせるのも確定拠出年金のメリットで個人年金保険との違いです。

 

とりあえず、確定拠出年金にしても個人年金保険にしても老後資産の形成をしていくものなので早いうちから始める事に越したことはありません。

 

どちらの制度にしても契約後はなかなか変更することは難しいのでしっかり検討して老後資金の準備をしていくようにしましょう。

 - 保険, 年金, 資産運用